国内の3大配送業社
まずは、国内の配送業社について見ておきましょう。国土交通省の「令和元年度宅配便等取扱実績関係資料」を確認すると、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社が国内配送(宅配便)の9割以上を担っていることがわかります。
国内配送の宅配便(トラック)取扱個数
国内の3大配送業社であるヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の特徴を簡単にご紹介します。
ヤマト運輸(宅急便、宅急便コンパクト、ネコポス)
ヤマト運輸は国内配送(宅配便)の4割強を占めています。ヤマト運輸と言えば「宅急便」が有名ですが、「宅急便コンパクト」や「ネコポス」のように小さな荷物向けの配送方法も充実しています。
クロネコメンバーズ割やデジタル割などの割引を利用すると安く商品を発送することができます。また、営業所の数が多く、セブンイレブンやファミリーマートからも商品発送ができる点が便利です。
佐川急便(飛脚宅配便、飛脚ラージサイズ宅配便)
ヤマト運輸に次いで国内配送(宅配便)の配達数を誇るのが佐川急便です。
「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」などのサービスがあり、ヤマト運輸や日本郵便の宅配便では取り扱いがない大きなサイズの荷物を発送できます。また、スーツやジャケットなどの衣類を立体的に配送する「飛脚ハンガー便」や商品の鮮度を維持して配送する「飛脚クール便」のように目的に応じたサービスの多様性が特徴です。
日本郵便(ゆうパック、クリックポスト、レターパック、ゆうパケット、ゆうメール)
国内配送(宅配便)の配達数の第3位は日本郵便です。なお、メール便の配達数では1位となっています。
日本郵便の宅配便は「ゆうパック」と呼ばれ、全国の郵便局やゆうパックを取り扱うコンビニからも送ることができます。また、クリックポストやレターパック、ゆうパケットなどは、近所に郵便局がなくても郵便ポストに投函するだけで簡単に発送することができます。いずれもお手軽にもかかわらず、追跡サービスもあるので安心です。ゆうメールもポストに投函可能ですが、追跡はできません。
メール便と宅配便の違いとは
国内配送の種類を大きく分けると、メール便と宅配便の2種類があります。
メール便とは、配達員が商品を郵便受けに配達する配送方法です。商品が郵便受けに入るサイズ(A4サイズ前後、厚さ3cm以内)であることが前提なので、小さくて軽いものを配送するのに適しています。逆に、小さくて軽いものでも厚さが3cmあると郵便受けに入らないためメール便では発送できません。
宅配便とは、配達員が対面で商品を手渡しする配達方法です。大きくて重量のある商品を配送するのに適しているほか、高価なものを配送する際にも利用されます。
についてまとめると、以下のようになります。
配送方法の比較:メール便の場合
商品が小さくて軽く、厚みが3cm以内の場合、宅配便ではなくメール便を利用した方が送料を安く抑えることができます。目安として、サイズはA4以内、重さは1kg以内と覚えておくと良いですが、一部のメール便では1kg以上の商品も配送することができます。
それぞれの配送方法には、料金の安いもの、配達が速いもの、追跡ができるもの、補償があるもの、信書(納品書、領収書など)の送付ができるものなどの特徴の違いがあるので、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
クリックポスト<安さ+安心>
ネットショップが小型商品を発送する際に特におすすめなのは、クリックポストです。送料が全国一律198円と安く、配達記録が残る点が安心で、Tシャツやコスメ、アクセサリーなど、さまざまな小型商品の配送に適しています。
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スマートレター<安さ優先>
とりわけ小さいサイズ(A5サイズ以内)の商品を発送する際、少しでも送料を抑えたいならばスマートレターがおすすめです。
クリックポストよりも安い点が魅力ですが、配達記録が残らず、厚みの上限が2cmであることに注意が必要です。また、日曜日および休日は配達がないため、配達日数が長くなる可能性もあります。
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なお、スマートレターと同じく追跡サービスがない「定形外郵便」と比較した場合、商品の重さが100g以内であれば定形外郵便の方がさらに安くなり、100gから1kgの間の場合はスマートレターの方が安くなります。
レターパック<速い+宅配便より安い>
小型商品を宅配便と同等の速さで宅配便より安く発送できるのがレターパックプラスです。
レターパックプラスは対面での配達となるので、専用封筒を箱型にして商品を配送することができます。レターパックライトは他のメール便と同様に郵便受けへの配達ですが、4kgまで対応しています。
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ゆうパケット<宅配便より安い>
小型商品を宅配便より安く発送できるのがゆうパケットです。厚みに応じた3段階の料金設定があるため、厚みがなければないほど安く発送することができます。ただし、上限サイズがクリックポストとほとんど同じであるため、着払いで送りたい場合を除けば、クリックポストを選んだ方が安くなります。
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ゆうメール<冊子やCD・DVD向け>
冊子やCD・DVDを安く発送する際に利用されるのがゆうメールです。重さに応じた4段階の料金設定があるため、軽ければ軽いほど安く発送することができます。配達記録を残したい場合はオプションとして追加料金を支払う必要があることに注意してください。
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ネコポス<速い+宅配便より安い>
小型商品を宅配便と同等の速さで、なおかつ安く発送できるのがネコポスです。また、メール便でありながら万が一の荷物の紛失や破損に対して荷物1個当たり3千円までの補償が付きます。
法人および個人事業主を対象としたサービスで、事前にヤマト運輸と契約して数量などの諸条件に基づいて料金を決定します。1個あたりの上限金額は385円なので、小型商品を速くリーズナブルに発送したい場合にはネコポスが特におすすめです。
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飛脚ゆうメール<ゆうメールよりも安い>
佐川急便が日本郵便と共同で提供している、法人のみが利用できるサービスです(個人・個人事業主は利用不可)。佐川急便が差出人となり、郵便局の配達員が配達します。ゆうメールよりも送料を抑えることができますが、荷物を郵便局に差し出してからの配送となる分、配達日数は長くなります。
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配送方法の比較:宅配便の場合
商品が大きくて重量があり、厚みが3cm以上ある場合は、宅配便を利用しましょう。すべてのサービスに追跡サービスと補償が付いている(宅急便コンパクトでは荷物1個につき3万円まで、その他のサービスでは荷物1個につき30万円まで)ため、高価な商品を発送する場合にも宅配便が安心です。
メール便では料金が全国一律でしたが、宅配便の場合は配送先によって料金が変動するので注意が必要です。また、各社でさまざまな割引があり、利用条件によって料金が変わってきます。
早見表ではホームページに掲載されている割引前の料金を掲載しています。割引については各サービスの解説をご覧ください。
配送方法一覧表(宅配便)
ゆうパックの料金
ゆうパックでは、60サイズから170サイズまでの商品を送ることができます。
ゆうパック |
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ネットショップに関わるゆうパックの割引には以下のものがあります。
- 持込割引:郵便局またはコンビニへ荷物を直接持ち込んだ場合、料金は1個につき120円の割引になる。
- 同一あて先割引:1年間に発送したゆうパックまたは重量ゆうパックの「依頼主控」(同一あて先割引欄が印刷されているものに限る)を添えてこれと同じ種類・あて先のものを差し出すと、1個につき60円の割引になる(持込割引との併用OK)。
- 複数口割引:同じ種類・あて先のものを2個以上差し出すと、1個につき60円割引になる(持込割引との併用OK、同一あて先割引は不可)。
- ゆうパックスマホ割:アプリ経由で荷物を送るたび、180円の割引が受けられる。さらに年間10個以上の発送で翌月の発送から10%オフが適用される(持込割引、同一あて先割引、複数口割引との併用は不可)。
宅急便コンパクト・宅急便の料金
宅急便コンパクトでは、60サイズよりも小さな商品を安く発送することができます。また、宅急便では、60サイズから160サイズまでの商品を安く発送することができます。
宅急便コンパクト |
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宅急便 |
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ネットショップに関わる宅急便コンパクト・宅急便の割引には以下のものがあります。
- 持込割:ヤマト運輸直営店・コンビニストア・取扱店へ荷物を持ち込んだ場合、荷物1個につき100円の割引が適用される。
- クロネコメンバーズの持込割:クロネコメンバーズの会員が宅急便をスマホで送るなどの方法で送り状を作成し、ヤマト運輸直営店に荷物を持ち込んだ場合、持込割100円に加え、さらに50円の割引が適用される。
- クロネコメンバー割:ヤマト運輸独自のプリペイド型電子マネーに事前にチャージして支払いをすると、宅急便料金が10%または15%割引になる。
- デジタル割:宅急便をスマホで送るなどの方法で送り状を作成した場合には荷物1個につき60円の割引が適用される。
- 複数口減額制度:同一のあて先に同時に2個以上の荷物を送る場合、荷物1個につき100円の割引が適用される。
飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便の料金
飛脚宅配便では、60サイズから160サイズまでの商品を送ることができます。また、飛脚ラージサイズ宅配便では170サイズから260サイズまでの商品を送ることができます。
飛脚宅配便 |
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飛脚ラージ |
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ネットショップに関わる飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便の割引には以下のものがあります。
- 持込割:荷物を取り次ぎ店頭に持ち込んだ場合、荷物1個につき100円の割引が適用される。
- 1回に発送する個数がまとまった場合、以下の通りに割引が適用される(持込割との併用は不可)。
- 11-50個:10%割引
- 51-100個:15%割引
- 101-500個:20%割引
- 501個:30%割引
- 3ヶ月以上にわたり常時出荷する荷送人で文書による特約がある場合、1回ごとの平均出荷個数により割引率をあらかじめ決め、割引を受けることができる(持込割との併用は不可)。
割引適用後の送料の例
一例として、東京にあるネットショップが60サイズの商品を都内のあて先に発送した場合の割引料金を比較してみましょう。通常料金では飛脚宅配便が最安値でしたが、割引の組み合わせによってゆうパックや宅急便の方が安くなる可能性があることがわかります。
*ゆうパックスマホ割が適用された場合
**クロネコメンバー割BIG、持込割、デジタル割が適用された場合
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